東吹八幡神社(篠山市東吹字東田ノ坪)

2015.05.13
中井一統特集

 創建時不詳。 祭神は応神天皇、 手力雄命、 そして天照大御神であり、 ほかに境内社として4柱が祀られている。 篠山藩3代藩主松平忠国の庇護を受けてきた。 少し分かりにくい所に鎮座する神社だが、 信仰篤い近所の人々により神域が掃き清められて、 静謐 (ひつ) の雰囲気が感ぜられる。 石灯籠も元禄時代の古いもので由緒があるようだ。
 拝殿は八幡宮にちなんで、 鳩が左右に2羽ずつ彫られている。 本殿が最近修復された。 新しく作り変えられたと思われるくらいその技術は進歩したようだ。 まず竜の彫刻を探す。 幣殿と本殿がくっつきあって竜が正面から見えず残念である。 本殿の向背の木鼻の唐獅子と獏は垢抜けしており、 手挟みの華も素晴らしい。 社殿の上部には聖獣が賑やかに顔を外に向けている。 しかしなんと言ってもここの脇障子の彫り物が興味深い。 中国の二十四孝の大舜と孟宗の故事だ。 6代目中井権次正貞の秀作である。

元高校教諭 岸名経夫

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