創建、 聖武天皇 (724―749) の時代。 のち、 真言宗となる。 今の本堂は、 文化元年 (1804) に再建された。 また、 文政2年 (1819) ごろには広く近在や篠山方面からも寄進を受け、 現在の立派な大伽藍になったとのこと。 地元の六斎念仏は府の無形文化財であり、 秋には紅葉寺としても賑わう。 こんな遠方に中井一統の彫り物があると聞いて出かけてみた。
大きな造りの唐門の虹梁には2頭の麒麟が踊り、 その上には軍配をもった行司、 その上の兎の毛通しには鶴が舞っている。 本殿に入って度肝を抜かれた。 差し渡し10以上とみえる本殿の欄間に、 今まで見たこともない巨大な2頭の阿吽の竜が睨み合っている。 欄間にしつらえてあるのに平面的ではない。 立体感、 躍動感あふれる竜である。 ほかの空間には鳳凰が2羽、 これも巨大。 5代目中井丈五郎橘正忠の超大作。 須弥壇には、 6代目中井権次橘正貞得意の唐獅子が、 所狭しと乱舞している。
元高校教諭 岸名経夫