サルとの遭遇

2015.06.10
未―コラム記者ノート

 どこの地域でもサルには手を焼いておられるようだ。
 先月下旬、丹後半島の海沿いをドライブ中に、何度となくサルに遭遇。人に追われた経験があまりないのか、車でそばを通っても慌てる素振りはない。なかには立派なタマネギを手に、道路際の岩に腰掛け、行き交うドライバーを見物しながら、うまそうにむさぼり食べている猛者もいた。道路や屋根など、あちらこちらに糞が散乱し、数の多さが見てとれた。
 先週末は、京都・左京区の山中をバイクで走行中に10数匹と出くわした。10戸足らずの小さな集落で、村人が駐在所の警察官と一緒になって懸命に追い払いをされていたが、サルたちはダラダラと山の中へ戻るといった風で、追われているという緊迫感はまったくなかった。
 いずれの地域でも、人家のない山道で見かけることはなく、集落周辺に集まっているように思えた。自然界に餌が豊富にある季節だというのに、すっかり農作物の味のとりこになってしまっているのか。近年、縮小著しい農村コミュニティーに対し、賢く大胆になってきている野生動物が気がかりだ。(太治庄三)

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