三寶寺(丹波市柏原町新屋)

2015.08.06
中井一統特集

 臨済宗(妙心寺派)の寺院である。 旧柏原町新井村の高見城址の麓、 「丹波悠遊の森」 に隣接した寺域全体が公園のような風情のある寺で、 春は桜、 秋は紅葉が美しく、 樹木の下の杉苔も心を癒やしてくれる。 また山門や鐘楼もその趣を一層際立たせている。
 本堂向背の中央にある一見骨太の竜の彫り物が目を引く。 脇に大きな宝珠を掴み、 梁の間隔が狭いためいらかの伸びがみられないが、 右下方を睨んでいる様子は迫力満点である。 この裏面に 「栢原町中井権次正貞」 の銘が見える。 2014年 (平成26)、 丹波市市制10周年記念事業の一環として行われた講演会 「柏原の偉人、 中井権次を語る」 のポスターにも大きな写真が出ている。 木鼻には、 定番の唐獅子と、 一見、 獏と見間違いしてしまうような象の彫り物がある。 本殿の五百羅漢の版画襖16面 (幻一作) や四季図の南画襖10面 (安田虚心作) 等も拝観できる (要予約)。

元高校教諭 岸名経夫

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