熊野神社(丹波市山南町阿草)

2015.10.14
中井一統特集

 阿草部落の右手の山裾に鎮座している神社。 創建は比較的新しい永禄2年 (1559) であり、 現在の社殿は延享2年 (1745) の建立である。 当時は神宮寺とも言われ、 神仏習合の形態であったが、 明治時代になって、 分離令によって、 かなり遠方に寺が移り、 近くに地蔵尊が残るのみである。 この熊野神社は間口三間もあり、 屋根も桧皮葺で重厚である。
 彫り物がしつらえられたのは、 安永8年 (1779) で、 その数の多さと多彩さには目を見張るものがある。 正面向背にはまず竜。 木鼻には定番の唐獅子と獏だが、 驚いたのは獏の代わりに足が馬で頭に角がある麒麟もここにある。 また上部の肘木鼻にも宝珠を握った竜、 肘垂木には細長い竜が全部で14頭、 唐獅子も同数だ。 麒麟は4頭もある。 脇障子には、 鶴に翁と童子、 海亀もあり、 長寿を願ったのであろう。 4代目中井言次君音、 5代目中井丈五郎正忠、 その相方達の合作と思われる。
元高校教諭 岸名経夫

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