久美浜湾の出口近く、 湊大橋の東側に鎮座する神社。 中央の社殿が蛭児神社 (ヒルコとは古事記に登場する神で鬼子と言われている)。 この界隈は歴史的事象が多くあり、 順徳天皇が承久の変 (1221年) で佐渡へ流された後、 鎌倉3代将軍、 源実朝がその社を現在地へ遷座した。 またこの地は北前船の基地として往時大いに栄えたと言われており、 五軒家と称された回漕業者が住んでいた。 その後地域住民が、 豊漁祈願と全盛時代の遺跡を祈念して境内左手にその模型を奉納している。 蛭児神社の左後ろに日御碕神社がある。
ここに彫り物を見つけた。 正面向背に立体感溢れる竜の姿がある。 首を左上に向け、 目にはガラス玉が入っている。さらにもう1カ所に、中央にある宝珠をしっかり握った下向きの竜がいる。 木鼻の両端には、唐獅子と象の彫り物が辺りを威嚇するように、睨みをきかしている。 6代目中井権次正貞の銘がある。
元高校教諭 岸名経夫