風化させない努力

2015.10.22
未―コラム記者ノート

 昨夏の丹波市豪雨災害の影響で、土砂の仮置き場になっていたスポーツピアいちじま(市島町中竹田)の野球場の復旧工事が完了した。数カ月前まで、野球場の横を走る国道175号からでも、うず高く積まれて丘のようになった土砂が見えていた。
 同施設の野球場では、毎年夏に女子の全国高校硬式野球大会が開催されている。今年は野球場が復旧中だったこともあり、春日スタジアムで行われたが、市担当者によると、来年は2年ぶりにスポーツピアで開催するという。
 また、同地区では10、11の両日、2年ぶりに伝統の「丹波竹田祭」が盛大に催された。みこしの担ぎ手に話を聞くと、「例年より重く感じた」と話していた。久しぶりの重みを体に受け、さまざまな思いもあって感傷的になったのかもしれない。
 地域で行われる催しも、災害から時間が経てば「○年ぶりに開催」という文句がなくなる。復興が進んでいるという意味では喜ばしいが、災害に思いを馳せる機会が減っていくのではないかとも感じている。あの日を忘れることはないが、風化させない努力は必要だ。(田畑知也)

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