春日神社(篠山市本郷字口ノ坪)

2015.12.10
中井一統特集

 西紀北小学校の横を少し登った所の山裾に鎮座する神社。創建は平安時代後期、仁安元年(1166)。火災で焼失後、弘化3年(1846)に現代の三間社流れ造、?(こけら)葺の社殿となり、昨年完成した立派な覆い屋が社を守っている。素晴らしい社殿と装飾彫刻が、地元有志の尽力によりこのたび国の重要有形文化財になったのは歓喜に堪えないものである。
 石段を登って、中央向拝を眺める。兎の毛通しの大きな鳳凰、すぐ下左右の桐花、中でも水引虹梁と向拝桁の間の竜が圧巻だ。宝珠をしっかり握り、右前方を睨んでいる。その左右には、唐獅子が2頭乱舞している。すぐ上には、比較的珍しい日輪が彫りこんである。木鼻の唐獅子と獏は大きなもので迫力満点だ。社殿の周り、8カ所の象、下方の縁左右には波の上を奔る月の兎が8つの様態を見せている。脇障子は鹿と紅葉である。6代目正貞の弟中井清次良正用の傑作である。
元高校教諭 岸名経夫

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