雀百まで

2016.01.16
未―コラム記者ノート

 青垣ポリプロピレン樹脂工業協同組合が探していたわらじの編み手が見つかった。丹波新聞を読んだ読者から組合に連絡があり、山歩きの際、滑り止めに使ったことがあり、編み方が分かる人にたずねることができる、という親切な人が1人。もう1人が、今回組合に技術を伝えることになった、丹波新聞読者の氷上町新郷の森島保男さん。
 森島さんに「前にもこのカメラを向けられたことがある」と言われ、驚いた。記憶の糸をたどり、過去に取材でお世話になったことを何とか思い出した。それに比べ、83歳の森島さんの記憶の確かなこと。およそ60年ぶりなのに、すらすら編めたそうだ。雀百まで踊り忘れずとはよく言ったものだ。
 大戦中にあった赤井野のグライダー練習場(氷上町新郷、現在のひかみカントリークラブのあたり)にも詳しく、改めて取材をお願いした。
 組合には、「自分も編み方を知りたい」という電話も3件あったそうだ。失われつつある技術を積極的に身につけたいと考える人がいることも分かった。読者のお役に立てて良かった。(足立智和)

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