卒業式と冊子

2016.03.05
未―コラム記者ノート

 氷上特別支援学校高等部の卒業式が3日にあり、取材した。受付では毎年、式次第とともに、1冊の冊子が来賓と保護者に配られる。弊紙も含めて、この1年間に同校が取材を受けて掲載された新聞記事をまとめた冊子だ。活動の記録としているのだろう。
 同校がある春日地域を担当していることもあり、卒業式には毎年お邪魔して冊子をいただいている。はたから見ればスクラップブックに過ぎない。ただ、記者にとっては、同校との1年を振り返る機会になっている。
 多くの場合、学校での取材では、生徒からコメントをいただくことが普通。冊子の記事に登場する生徒の名前を見ていると、「この子とは、こんな話をしたな」などと当時を思い出す。特別支援学校の場合、障がいの度合いなど種々の事情もあり、割と特定の生徒に話を聞くことが多い。結果として、互いに顔や名前を覚えて親近感を抱くことにつながり、記憶にも残りやすくなっているのかもしれない。
 今年度の卒業生は20人。同校高等部では、これまでで最も多い人数だったという。願わくは、いつかどこかでまた出会えんことを。(田畑知也)

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