酒井先生お疲れ様でした

2016.03.26
未―コラム記者ノート

 3月末で32年勤めた県立柏原病院小児科を定年退職する酒井國安医師。医師人生のほとんどを同病院で過ごした。
 丹波新聞の過去記事などによると、同病院の小児科、産科は医師会が開設に難色を示し、1973年に「県立柏原荘」から総合病院「県立柏原病院」に改称した後も、84年まで開設が遅れた。半ば疎んじられるような状態で産まれた小児科を、なくてはならない存在に育てた地道で献身的な診療姿勢に心から敬意を表したい。
 1985年から30年間の同科入院患者は実人数で2万806人。もちろん全員の主治医ではないが、酒井さんは同科トップとして責任を負ってきた。病院の廊下で出会うと、大抵笑顔で話しかけてもらった。難題に直面した時も「なかなかや」と粘り強かった。「心の持ちよう」が上手だった。
 4月から肩の荷を下ろしてゆっくりされるのかというとそうでもなく1年間は外来診療を手伝うそうだ。弾けるような酒井スマイルがもう少し見られるが、ここで一区切り。長い間お疲れ様でした、ありがとうございました、と言いたい。(足立智和)

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