出合わない努力

2016.06.30
未―コラム記者ノート

 「今年はクマの出没記事をよく書くなぁ」と思っていたら、全国的な問題らしい。テレビなどで連日のように報道され、クマに襲われ命を落としたケースもあったようだ。
 先日、大路小学校で地域に生息する野生動物の生態を学ぶ授業があった。県森林動物研究センターの職員を講師に、クマの話も出た。児童たちが「クマに出合ったらどうすればいいですか」と質問すると、「その前にクマに出合わないでください」との回答。確かにその通り。
 それでも遭遇した場合、距離があるときは「おーい」とクマに声をかけ、こちらに人間がいると恐れを抱かせた上で、後ずさりして離れるのが良いという。襲われた場合は、亀のように丸くなって急所を隠すのが良策だとか。もちろんケースバイケースで、ほかにも対処法はあるのだろう。
 山登りにクマ除けの鈴を付けて行くのは効果があるのか。答えは「イエス」だそうで、高くて短い音は耳障りで、警戒を強めるという。
 とはいえ、実際出合ったときに冷静でいられる自信はない。それなら確かに出合わない努力が必要ということか。(田畑知也)

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