渋皮煮の季節

2016.10.06
未―コラム記者ノート

 丹波栗の収穫がそろそろ終わる。今年は栗が大きく育ち過ぎて、鬼皮がやぶれる「割れ栗」が多いと、話を聞いた生産者がこぼしていた。今年の栗は本当に大きく見える。ここ何年かせん定をしていないうちの栗ですら丹波栗の風格が漂っている。
 恒例の渋皮煮を作っている。晩酌をしながらぼちぼち鬼皮をむく。調子が出てきた頃には栗が尽き「また来年」と作業は一向に上達しないが、今年はひとつ工夫をした。「ゆでたらはがれやすくなるだろう」と、毎年手こずる「お尻」の部分をあえていい加減にむいてゆでた。これが幸いし、作業が相当楽になった。がんばってむくお尻の部分に刃が強くあたって傷がつき、ゆで汁、漬けシロップを濁らす原因になっていた。
 「手間がかかるものをわざわざ作る」のが楽しくて渋皮煮を作っているが、1度挑戦したいのが、さらに手間がかかるマロングラッセ。糖度の異なるシロップで重ねるように炊いていく。大粒の今年の栗で作ると見栄えが良さそうだ。ただ、調理に時間がかかり過ぎると、食べる気が失せるので思案している。(足立智和)
 

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