祭りが結ぶ

2016.10.31
未―コラム記者ノート

 「祭りに出てほしいんやけど」と、隣保長さん。「よくわかりませんが、わかりました」。今月、篠山市黒岡の春日神社で行われた秋祭りの行列みこしに参加した。
 私の役は「真榊」。当日、神社に出向くと、大年番町の奥様方に囲まれ、あれよ、あれよ、という間に神主さんのような着物を着つけてもらった。観光客の方に、「何が始まるのか」と話しかけられ、「すごい行列です」と知ったふうに言う。
 天狗や太鼓に続いて出発。振り返ると、大名のような裃を着た各町の人々が続く。大行列を先導する形になっていることに気づき、普段のにやけた顔を必死に引き締め、前だけを見て歩いた。
 子どもたちが引く神輿に乗った祭神がまちを遊覧し、清め、ことほぐ。そういう意味があるのだろう。3時間かけて城下町を練り歩いた。
 公民館で慰労会が開かれた。自治会長の高説を聞き、あいさつ程度しかしたことがないご近所さんと神酒を飲んで盛り上がった。同年代で飲み会を開こうと約束もした。
 祭りは地域を結ぶ。祭りが地域をつくる。大切なことを再認識できた。(森田靖久)

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