卒業証書の箱

2017.01.14
未―コラム記者ノート

 長かった冬休みが終わり、各学校で3学期が始まった。個人的な話だが、学校行事の取材では、できるだけ最高学年の生徒にコメントをもらうようにしている。学校生活最後の年に、新聞取材を受けたという思い出が残ればという思いからだ。もう一つ、私自身の苦い思い出にも由来している。
 小学6年生の3学期、私の母校では卒業証書を入れる木箱を作ることが伝統だった。作ると言っても、市販の木箱の表面に字や絵を描き、彫刻刀で彫っていくというもの。「卒業証書」「旅立ち」などと刻んだ子もいれば、好きな漫画のキャラクターを彫った子もいた。私はなぜか、図鑑を手本に魚の絵を描いて彫った。
 この木箱作りが珍しいというので、どこかの新聞社が取材に来た。数人だけ、完成した木箱を持って写真を撮ってくれるとのことで、迷わず立候補。結果、ジャンケンに負けて新聞に載ることができなかった。今でも少し根に持っている。
 残念な記憶だが、時が経てばほほ笑ましい思い出に変わる。今年も誰かの思い出になるような取材がしたい。(田畑知也)

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