猟師になった叔父

2017.01.26
未―コラム記者ノート

 自動車教習所の教官をしていた叔父が、いつの間にやら箱罠使いの猟師になっていた。両親経由でちょくちょくシシ肉やシカ肉をもらっていたが、先日、久しぶりにゆっくり話す機会があったので、率直に聞いてみた。
 「おっちゃん、なんで猟師になったん?」
 「畑がイノシシに荒らされて腹が立ったさかいや」
 私怨だった。サル害が多い地区で取材していて、笑顔がすてきなおばあちゃんが、「あいつらの頭かち割ってやりたい」と言ったことを思い出した。
 叔父がする猟の話はどれも興味深いが、一番関心を持ったのは「解体」。その場で首を切って血抜きをし、ダニを取るために水に浸けておく。
 聞いているだけで鳥肌が立つような内容だが、おかげでおいしい肉が食べられるのだから消費者は勝手なものだと反省した。
 生き物と闘い、命をいただく。多くの人がそんな当たり前のことから遠ざかり、目を背けている。一度、叔父の猟と解体を見学させてもらい、命や食を考える機会にしたいと思う。(森田靖久)

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