獣害対策の基礎学んで

2017.01.28
未―コラム記者ノート

 獣害対策の基礎を学ぶ研修会が篠山であり、私も兼業農家の“はしくれ”として、勉強がてら取材に伺った。
 獣害対策の専門家が「集落に存在する野生動物の餌は2種類ある」と解説。一つは、食べられた人が被害と感じる餌「農作物」。もう一つは、廃棄農作物や生ごみ、稲のひこばえ、利用されない果樹(柿、栗など)など被害と感じない餌。この被害と感じない餌が野生動物を集落に誘引しているという。さらに、被害と感じない餌は、食べても人に怒られることがないので、人に馴れ、早期に適切な対策を取らないと、繰り返し集落に呼び込むことなると説明された。
 国は2050年までに、現在、人が居住している地域のうち約2割の地域が無居住化すると予想。そのほとんどが中山間地域という。当然、丹波地域も無関係ではない。人の低密度化に伴い、野生動物の“領有地”は広がる。人と野生動物の共存を考え、篠山が農都としてあり続けるためにも、行政には野生動物管理の体制確立が求められ、我々農家は獣害に強い集落づくりを本気で進めていかなくてはならない。(太治庄三)

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