安堵感と好奇心

2017.02.09
未―コラム記者ノート

 裁判員制度が一気に身近に感じられることがあった。刑事事件の裁判に、選ばれた一般の人が参加する制度だ。昨年末、神戸地裁から「裁判員等選任手続期日のお知らせ」が届き、先日、神戸地裁に足を運んだ。
 選任手続により、6人の裁判員と3人の補充員を決める。受付に行くと「13」番の札をもらい、席に着く。約40人が会場に来られた。係の職員や裁判長から、辞退者が出る可能性があることから多めに候補者を選んでいることへの理解を求める説明があった。
 次に、担当する事件の内容が告げられる。今回は40歳代の男が近隣住民ら4人を殺害した事件だった。その上で、加害者や被害者に知り合いはいないか、冷静な判断ができるか、といったアンケートと、希望者には裁判長らによる個別面談が行われた。「死体や傷口の写真を見せることはない」などと説明があり、精神的ストレスをかけないように気をつかっていることが感じられた。
 裁判員になるのは約1万人に1人という。抽選の結果、「13」はなかった。安堵感と、続きを見たい好奇心で揺れる一瞬だった。(芦田安生)

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