句碑

2017.03.23
丹波春秋

 柏原のたんば黎明館前の道路向かいに5基の句碑が建った。「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」「俺と来よ丹波友垣夏燕」「恐竜の歩いたあとの草の花」「丹波より雪の匂ひの水菜かな」「ステ女忌の諸葉そよぎて秋に入る」▼それぞれ坪内稔典、木割大雄、宇多喜代子、故・山田弘子、故・丸山哲郎各氏。毎年5月に開かれる「田ステ女俳句ラリー」の選者である。20周年を記念して、筆者も関わる実行委員会が市の助成を得て配置した。▼自然石の形を考えてこの順になったが、偶然にも「春夏秋冬」順に並ぶ。これらの選者はラリー発足時、柏原出身の丸山氏から誘って頂き、以来長年に渡ってお世話になっている。いずれも現在の俳句界を背負う錚々たる顔ぶれ。そんな句碑が一堂に揃うのは、全国でも珍しいだろう。▼ラリーに毎年、安いギャラで来て頂くのに恐縮しているのだが、「人とのつながりがあってこそ出来る。柏原の場合は行くたびに百年の知己のように接してもらえ、『次がまた楽しみ』 という気持ちになる」(山田氏=06年発行「10周年記念誌」での座談会)と異口同音に言って頂いているお陰だ。▼向かいの黎明館の前庭には、かつてここで学んだ細見綾子の句碑もある。柏原が「俳句の町」として売り出していく拠点がまたひとつ出来たと思う。(E)

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