政界再編の芽

2017.09.30
未―コラム記者ノート

 衆議院が解散した。唐突な解散は過去にもあったが、今回は「なぜ」という声を各方面で聞いた。森友、加計問題を国会で追及され、新聞やテレビで報じられるなか、解散の2文字を隙間に滑らせた。

 安倍晋三首相は「してやったり」と思っているかもしれないが、「吉」と出るか「凶」と出るか結果は神のみぞ知る。「野党協議が進まない。今がチャンス」と思っていると、突如小池百合子東京都知事が党首になり「希望の党」をぶつけたが、土壇場で民進党と希望の党の合流。「一強から二極、三極化へ」と政界再編の芽が出始めた。

 まさに乱世。生き残りに必死だった戦国の世であれば、どういう作戦で、戦いを勝ち抜いていくのか、城主や参謀の腕の見せ所だろう。

 有権者は渦中の人を遠くに見ながら、高みの見物になってはいけない。あくまでも、国民が主権者。憲法や北朝鮮問題への対応、地域においては人口減少対策、介護、地方経済の浮揚策などの課題が山積する。甘い言葉に惑わされずに、しっかりとした意識と目を持って、選挙に臨みたい。「政界の表も裏も見える秋」。
(臼井 学)

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