兵庫県篠山市の市名変更問題で、現市名維持を望む市民有志8人が9月5日、市役所を訪れ、酒井隆明市長と市議会に「市名変更の撤回」を求める要望書を提出した。酒井市長は懇談の中で、多数の市民の理解が得られなかった場合には、議案が「上程できない」可能性があること、また、変更を要望する団体が一部役員のみの意思で要望書を提出しているとの批判があることに対し、各団体に意思決定の方法を確認することを明らかにした。
要望書では、8月30日に開いた意見交換会で出た意見を列記した上で、市名変更の提案を撤回し、市民に対してその理由を十分に説明し、白紙に戻すよう要望している。有志代表の梶原周逸さん(81)=同市西岡屋=は、「市民の声を十分にくんでほしい」などと述べた。
酒井市長は、「市長の見解を明確にしておきたい」とし、「市長は(市名変更を)『決めている』と思われているが、『変更する方がよいという意を強くしている』と表現している。変更に反対の人の意見も聞く。議会に提案し、拙速に決めようなどとは思っていない」と強調。「多くの市民の理解がなければ議会にも上程できない」とした。