篠山市は、「丹波篠山市」への市名変更問題に対して市民のさまざまな意見を聞こうと4月28日、篠山市民センターで意見交換会を開いた。市名変更を求めている「市名を『丹波篠山市』にする市民の会」、市名現状維持を訴える「市名変更問題駆け込み処」の賛成反対双方からそれぞれ3人、意見表明していない市民団体の代表6人の計12人が登壇。会場に集まった約250人の聴衆からの意見も聞きながら熱のこもった議論が交わされた。
「―市民の会」の西尾和磨さん(丹波篠山観光協会長)は、「一般的に全国的に『丹波篠山』は篠山市を指すということ。先人たちが長い時間と努力を重ねて築き上げてきた大事な丹波篠山ブランドを守りたい、そして子どもたちにつないでいきたいとの思いで活動している」と熱く語った。同会代表で市商工会長の圓増亮介さんは、「経済が元気にならないとまちは活性化しない。そのためにも確固たるブランドを築いていく必要がある」と力を込めた。
「駆け込み処」の梶原周逸さんは、「ふるさと一番会議への参加者は住民の一部、会議で意見を述べるのもごく一部なので、調査結果が出そろった今、住民の意思を反映させる一番の方法として住民アンケートの実施を強く望む」と要望した。
同じく山口喜昭さんは、統計センターの報告書の一部「市名変更をした場合の地域ブランド購入額の変化」で「不変」の数値が、▽丹波栗94・4%▽黒豆94・2%▽丹波焼97・7%―などと記載されたデータを提示。市名を変更しても購入額の増加の割合が数%程度であることを訴え、「このデータが、市広報5月号に載っていない。市民に実態を示していただきたい」と話した。
意見表明していない市民として登壇した、県PTA協議会長の西家幸男さんは、「なによりこの問題は、子育て世代の若いお父さんやお母さん、選挙権を持たない子どもたちに関心を持ってもらいたい」と話した。
市青年会議所理事長、波多野雄介さんは、「住民アンケート、住民投票を実施するにせよ、特に若い世代に関心を持たせる仕掛けが必要」と話した。
酒井隆明市長は意見交換会の締めくくりに、「7月10日までをめどに、(5人以上のグループであれば)どこにでも出向いて精いっぱいの議論を尽くしていきたい。この問題を乗り越えて素晴らしい篠山をつくれるよう取り組んでいきたい」と話した。