「市名を『丹波篠山市』にする市民の会」(代表=圓増亮介商工会長)に所属する約200人の市民が6日、篠山市役所を訪れ、変更に向けて具体的な手続きに入ることを求める要望書を酒井隆明市長と森本富夫市議会議長に提出した。一方、別の市民団体が住民投票を求める署名活動を準備していることに対し、酒井市長は、今月10日までに署名が始まらない場合は、速やかに臨時議会を招集し、議案を提出する考えを明らかにした。
昨年7月に結成された同会は、市商工会や丹波ささやま農業協同組合、丹波篠山観光協会など18団体や市民有志で構成。市名変更を求める任意の署名活動を行い、約1万人分の署名を集めて市に提出していた。
今回の要望は、今月1日に市が「丹波篠山市に変更する」と意志決定したことを受けたもので、圓増代表は、「ここに集まった何十倍、何百倍もの市民が待ち望んでいたこと」と言い、「賛成反対を問わない住民投票を求める団体があるようだが、すでに市が市名変更を表明した以上、賛成の人は署名の必要はなく、これ以上、市民を混乱させることは避けるべき」と投げかけた。そのうえで、「一日も早く変更への具体的手続きに入ることを強く要望する」とした。
参加者から「具体的な活動はいつになるのか」などと問われた酒井市長は、「市として意思決定し、あとは議会に提案するという手続きが残っているが、住民投票を求める署名が始まるという報道があったため、混乱しないように提案を見合わせているところ。しかし、いまだに署名活動が始まっておらず、大変遺憾に思っている。いつまでも待つわけにはいかないので、10日を限度として議会に提案したい」とした。