兵庫県立人と自然の博物館(三田市)が1月8日、2015年に同県丹波市山南町の丹波竜化石発見現場付近で見つかった卵化石の発掘調査を再開した。調査には同博物館研究員のほか、公募の卵化石発掘ボランティア24人が参加。卵化石のさらなる発掘に精を出している。2月末まで調査する。
世界的に珍しい「卵化石」の密集
主に調査するのは、同町の上久下地域自治協議会が主催した同年10月19―22日の試掘調査で、卵化石5点や卵殻片などが見つかった後、採集されずにコンクリートで保護されている部分(約2平方メートル)と、すぐ横の岩石(約14平方メートル)。
卵化石は鳥類か、鳥類に近い獣脚類恐竜とみられている。恐竜か鳥類の卵化石が密集した状態で、しかも形状をとどめて発見されるのは国内初で、世界的にも珍しいという。恐竜類、鳥類の繁殖行動の進化を解明する上で貴重な発見だった。
調査はコンクリートを削ったり、岩石部分から取り出した岩砕を小さく砕くことから始まり、ボランティアらはハンマーで砕いてはルーペで懸命にのぞき、化石らしきものが見つかると、研究員に確認してもらっていた。
丹波竜発見時からボランティアに参加しているという女性2人は、「卵化石を見つけるぞ」と意気込んでいた。