南海トラフ巨大地震、発生したらどうする―。兵庫県丹波市市島町の吉見地区男女共同参画推進連絡会が2月8日、同町内で、同地震に伴い発生が予想される被害とその対応、事前にできる準備について住民同士で語り合うセミナーを開いた。「1カ月間の停電が発生したらどうする」をテーマに議論。同地区は2014年8月、豪雨災害により被災した地域で、住民の間で「防災の意識」が高まっている。
保温効果ある新聞が重宝?避難所運営はルールを
市豪雨災害後に行われた災害講演会で、「南海トラフ巨大地震で丹波地域でも1カ月の停電が起こる可能性がある」と指摘があったことを受け、普段からの防災の必要性を感じた同地区北岡本自治会が昨年5月にフォーラムを開催。今回のセミナーは、同自治会のフォーラムで出た意見をたたき台に、一自治会の取り組みを広げる形で実施した。
セミナーには45人ほどが参加。同地震により停電が発生した際に起こりうる7つの事態▽食料の不足▽水道が出ない▽電気のストップ▽生活物資の不足と通信網の遮断▽衛生面の悪化▽行方不明者の発生と避難所での問題▽避難所の運営規則に関する問題―についてグループで議論した。
電気のストップについて考えたグループは、「スマホやパソコンの充電ができない」「風呂が沸かせられなくなる」などと予想。対策として「電池やソーラー式充電器の用意」「保温効果がある新聞紙で寒さをしのぐ」などを挙げた。避難所の運営規則の問題については、「男女別のトイレがあるか」「物資を平等配布できるか」などの問題が起きるとし、「避難所の運営委員会を組織して仕切る」「生活ルールを決める」などの対策を考えた。
同連絡会の荒木久子副会長は、「参加者それぞれの立場で話してもらうことで、活発な意見が出た。ゆくゆくは災害時に正しい行動ができるようなチェックリストを作りたい」と話していた。