道切り開くお手伝いを
JR篠山口駅構内にある「神戸大学・篠山市農村イノベーションラボ」で開く、起業や継業をする人材を育成するためのビジネススクール「篠山イノベーターズスクール」のコーディネーターの一人。「『多様性と主体性のある社会』が豊かな社会だと思っている。様々な生き方、暮らし方、働き方が選択できて、主体的に生きる道を切り開きたい人のお手伝いができれば」と話している。
東京で会社員をしていた際、みんな眉間にしわを寄せて、幸せそうに見えなかった。そんな閉塞感から「地方の分野で貢献できることはないか」と考えたのが原点になっている。
出身地、香川県にある小豆島へ渡り、現地の食材を全国に発信する「四国食べる通信」を立ち上げ、今も代表を務めている。地域おこし協力隊として様々な活動にも関わった。
神戸大が募集していた篠山市地域おこし協力隊のサポート役に就任し、同ラボにも立ち上げから関わった。「農村に興味があっても、いきなり地域には飛び込めない。地域と関係性を持つ、最初のきっかけの場になれば」と、スクールの明るい雰囲気づくりにも気を配る。「例え篠山の外で起業しても、篠山で学んだ人のネットワークがいろんな所にあった方が還元される力は大きい」と話す。
昨年、閉鎖した「丹波篠山魚市場」を、同スクールの“卒業生”が受け継ぎ、再開した。「篠山にとってもよかったし、スクールの成果としても、よいマッチングだった。地域にとって必要なのに後継者のない仕事がある。第3者への事業承継が大事になってくる。市場を好例として、これから力を入れていきたい」。40歳。