さらば我らの”沖田艦長” 定年校長にサプライズ卒業式 コスプレで演奏会盛り上げ

2019.03.18
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児童から贈られた花かごを手に花道を退場する足立校長=2019年3月18日午前10時35分、兵庫県丹波市氷上町石生で

児童の鼓笛隊が半世紀以上続く兵庫県丹波市立東小学校で18日、今年度末で定年退職する足立辰馬校長(60)のサプライズ卒業式があった。児童らは、鼓笛隊の演奏曲の一つ「宇宙戦艦ヤマト」にちなみ沖田十三・ヤマト艦長のコスプレで演奏会を盛り上げきた足立校長を「艦長」と愛し、全校生282人が37年に及ぶ教員生活卒業を祝福した。

音楽会で沖田艦長にふんし、タクトを振った足立校長(東小学校提供)

20日に卒業する6年生が主催した式典では、艦長帽子をかぶった足立校長を全児童が歓迎。卒業証書授与、涙ながらの児童代表あいさつなどに続き、新年度鼓笛隊を担当する5年生は、感謝の言葉をつづる「呼びかけ」に「沖田艦長不在の鼓笛隊は若干、不安だが、また演奏を聴きに来て下さい」とユーモアを忍ばせた。

司会児童に「卒業生熱唱」と促され、「OUR CAPTAIN IS FOREVER」の文字と沖田艦長に扮した足立校長のイラスト看板が掲げられた壇上で、足立校長は温かな拍手を浴びながら「宇宙戦艦ヤマト」を熱唱。「我らの艦長 足立辰馬は永久に不滅」の懸垂幕の前で記念撮影に収まった。

自身の似顔絵が描かれた黒板の隣で熱唱する「宇宙戦艦ヤマト」を熱唱する足立校長

足立校長は後輩教師に勧められ、音楽会を盛り上げようと、帽子やコート、付けひげなどをネットで購入。昨年度、今年度と2年続けて同校の音楽会などで「沖田艦長」姿で登場。「ヤマト」曲でタクトを振り、会場を沸かせた。

足立校長は「急な事でビックリした。最後まで『艦長』はないだろう」と照れ、「子どもが喜んだり、感謝してくれたりした事が伝わってきて、本当にうれしかった」と喜びを噛みしめていた。

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