働かざるもの… 児童らが炭販売、売り上げで昼食味わう

2019.03.12
ニュース丹波篠山市地域

自分たちで焼いた炭をパッケージにして販売した児童たち=2019年3月7日午後1時7分、兵庫県篠山市東木之部で

兵庫県篠山市の西紀北小学校の6年生6人がこのほど、同市内を通る舞鶴若狭自動車道の西紀サービスエリア(SA)下り線で、地域のお年寄りたちでつくる炭焼きグループ「愛桜会」に教えてもらいながら焼いた炭を販売した。児童たちは、給食なし、弁当なし、お小遣いなしで、もうけの範囲で昼食を買って食べる―というルールで販売を体験。見事に完売し、自分たちでかせいだお金で注文したサービスエリアの食事を堪能していた。

6年生は総合的な学習で、地域の「伝統」について学ぶ中、炭焼きを体験。良質な炭を広く知ってもらうためにはどうすればよいかを考え、自分たちで販売することにした。

また、生産、加工、販売という一連の流れを体験するのもねらい。1つ756円(税込)で販売し、「消臭商品」として販売するためのラッピングにかかる費用、販売する場所代にいくらかかるかを計算し、売上から引いた額がもうけになることも勉強した。用意した20セット(5―6個入り)を完売すれば、700円以内の食事ができると計算し、販売に臨んだ。

のぼりや看板、チラシを手作りし、“店”に残って売る児童や、商品とチラシを持って歩き回りながら売る児童など、手分けしながら営業した。

担任の岸田卓也教諭は、「売れなければ、『たこ焼き1個ずつになるかもやでぇ』と言いながらやりました」と苦笑い。「顔見知りが多い地元のイベントではなく、あえて知っている人がいない所でやってみたかった。チラシを渡そうとしても断られたり、返されたり、無視されたりもしていた。それもよい経験になったのでは」と話す。

児童は、「たくさんの人に買ってもらい、炭のことを知ってもらえてよかった。チラシを手渡すのを断られた時は悔しかったけど、その分、買ってくれた人がいるとうれしかった。炭をパッケージにするのが楽しかった」と笑顔だった。

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