3.11 線香花火に思い込め 親子で祈りささげる 「自分たちの防災も」

2019.03.12
ニュース丹波篠山市地域

震災で犠牲になった人への追悼と復興への祈りを込めて線香花火に火をともす子どもたち=2019年3月11日午後6時56分、兵庫県篠山市二階町で

東日本大震災の発生から丸8年となった11日、全国各地で追悼行事が開かれる中、兵庫県篠山市でも同日夜、犠牲者への追悼と復興を願ってキャンドルや線香花火に火をともすイベントが開かれた。親子連れら約20人が参加。子どもたちの元気な声が響く中、今も平穏な暮らしを取り戻すために奮闘する人々への思いを込めた淡い光が浮かび上がった。

同市内などで子育て中の母親らを対象に防災学習などを行っているグループ「みんなで減災し隊!」が企画。被災者らでつくる岩手県盛岡市のNPO法人「Ray of Hope」が全国各地に広めている「鎮魂の線香花火ナイト」の一環として線香花火に火をともしたほか、宮城県気仙沼市で作られたキャンドルなどで「3・11」の文字を作った。

萩の月」など東北銘菓も並んだ会場では、原発事故の影響で親子離れ離れで避難生活を送っている人のメッセージも紹介。「原発事故は収束していないし、今も避難者がいる。そんな中で開かれるオリンピックは、誰のためのオリンピックなのでしょう。震災を風化させてはならない」という言葉に、子育て中の親らが深くうなずいていた。

同グループ代表の中村伸一郎さん(54)は、「被災地への思いを届けることはもちろん、今日をきっかけに自分たちの防災のことも考えてもらえたら」と話していた。

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