兵庫県篠山市有居地区で約500メートルにわたって道の両側に植えられた桜が満開を迎え、”ピンク色のトンネル”をつくっている。開花期間中は地元老人会がぼんぼりをつけて美しい空間を演出するなど、十分、「名所」だが、まだあまり知られておらず、口コミで評判が広がっているスポット。普段は静かな川沿いの道に、噂を聞きつけた人が集まっている。
満開を迎えた桜並木の下を、車と人が「通り抜け」を楽しむ。地域住民はもちろん、デイサービスなどの送迎車や、他府県ナンバーの車もちらほら。速度を落とし、ゆっくりとトンネルをくぐっていく。
同地区の桜並木は40年ほど前に住民が植えたもの。川沿いにあり、大型車の進入も禁止されている道路のため、車体にぶつかることもなく、両脇から張り出した枝が頭上を覆うトンネル状の樹形を作り出している。
「先輩方が植えた桜を地区のシンボルにしよう」と、2009年からは、同地区老人会が中心となって手作りのぼんぼりで飾り付けを開始。白色と桃色の紙を貼り付けたぼんぼりが、夜になると桜のトンネルを美しく染め上げている。