市議会、年中やります 「通年会期」導入で行政の監視強化 県内初、全国32自治体目

2019.04.21
ニュース丹波篠山市地域

昨年11月、市名変更の住民投票を受けて開かれた「臨時会」。通年会期の導入で臨時会がなくなり、より迅速に会議を開くことができる=兵庫県篠山市北新町で

住民投票を経て市名を「丹波篠山市」に変更する兵庫県篠山市議会は5月1日の市名変更に合わせて、年間を通して議会を開会した状態にする「通年会期」をスタートする。県内では初めて、全国でも32自治体目で、これまでの定例会に当たる集中審議の日程を固定することで、より市民に審議が行われている日を明確にすることや、いつでも会議を開くことで市が行う事業を迅速に審議でき、行政の監視能力を強化するという。集中審議期間には、通称として、「水無月会議」「長月会議」など丹波篠山らしい雅な名前を付けている。

これまで、6、9、12、3月にそれぞれ定例会を開き、市の予算案や条例改正案などを審議してきた。定例会と定例会の間は閉会状態で、重要な案件が発生した場合、「臨時会」を開くなどして対応してきた。

一方、閉会中に市議会内に設置された3常任委員会(民生福祉、産業建設、総務文教)が、それぞれ受け持つ施策を調査する事項は、定例会で議決された内容しか調査できない仕組みだった。

自治法が改正され、通年会期が導入できるようになっていることから、同市議会は通年会期の実施を今年3月定例会で可決。5月の市名変更に合わせて導入する。

具体的に通年会期の導入でこれまでと変わることは、各委員会の調査事項に制約がなくなるほか、本来、議会の議決を得なければならないことでも閉会中のため審議できず、行政が自ら処理する「専決処分」を、災害対応などを除いて基本的になくし、議会が審議することができる。

これまであった「定例会」はなくなり、定例会に当たる集中審議の日程は、6月(水無月会議)、9月(長月会議)、12月(師走会議)、3月(弥生会議)それぞれの第1火曜、第3水曜、第3木曜、第4木曜に決め、これまで時々に応じてばらばらだった日程を固定し、会議の日程をわかりやすくした。

臨時会もなくなり、市長が議会に審議を求めた場合、議会は7日以内に会議を開き、迅速に対応できるようにする。

また、予算、補正予算、決算の審議にはこれまでその都度、特別委員会を設置してきたが、「予算決算委員会」を常設することで、継続性のある審査に当たる。

森本富夫議長は、「行政の監視機能の充実を図り、審議日程を明確にすることで、市民生活の向上に注力できる議会運営を目指す」とした。

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