新聞配りで独居男性救助 配達員女性に県知事表彰 血痕見つけ警察通報

2019.10.30
ニュース丹波市事件

のじぎく賞を受賞した田中さん(右)=兵庫県丹波市柏原町柏原で

兵庫県丹波市の丹波署(高橋浩樹署長)は、独居高齢男性の命を救ったとして、同市内の田中きよみさん(56)に、善行者をたたえる同県知事表彰の「のじぎく賞」を贈った。

同署によると、9月11日午前7時ごろ、田中さんが新聞配達のため、独居男性(77)宅を訪れたところ、郵便受けに3日分の新聞がたまっており、前日と同じ状態で2階の窓が開き、部屋の灯りもついていた。不審に感じた田中さんは、玄関を開け、男性を呼んだが、テレビの音は聞こえるものの応答はなかった。さらに玄関口に黒ずんだ血が落ちていたことから、「ただ事ではない」と、近くの駐在所から同署へ通報した。

駆け付けた同署員が捜索したところ、2階の居間の片隅でうつ伏せの状態で倒れている男性を見つけ、同市内の病院に搬送した。

発見当時は、呼びかけにわずかに指を動かす程度の重篤な状態だった男性も、現在は快方に向かっているという。

居宅ケアマネージャーでもある田中さん。「男性の命が助かって何より」と喜びつつ、「もう少し早く通報できていればよかったという後悔がある。新聞配達は安否確認の役割も併せ持つ。いつもと何かが違っていたら、ためらわず行動に移さなくては」と話していた。

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