2021年5月に関西地区で開催される生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲーム」で、兵庫県丹波市柏原町発祥のニュースポーツ「囲碁ボール」がオープン競技として行われる。発祥の地、柏原町が同競技の会場となる。同大会運営に携わる市実行委員会などは、競技のPRと大会本番に向けて機運を高めようと、今月16日に同市内で「リハーサル大会」を開く。
囲碁ボールは、ゲートボールと五目並べを組み合わせた競技。人工芝のマットに縦横7本ずつの線で碁盤の目が描かれ、その交点がくぼんでいる。木製のスティックでボールを打ち、くぼみにボールを入れる。縦、横、斜めのいずれかに3つ以上5つ以下のボールを並べると「ライン得点」になり、この多さで勝敗を決める。同点の場合は、くぼみにより多くのボールを置いた「ポイント得点」で競う。
1992年に誕生した囲碁ボール。織田家ゆかりの旧柏原町の町長が、山形県天童市で開催された「信長サミット」に参加した際、人が駒になって楽しむ「人間将棋」を見て感心したのがきっかけで、柏原町でも地域性のあるゲームを考案することになった。柏原町には、隣村との領地争いを囲碁の勝負で解決した殿様をまつる神社があることから、囲碁を生かすことにした。
「ワールドマスターズゲーム」は、国際マスターズゲームズ協会(IMGA)が4年ごとに開催する、概ね30歳以上であれば誰でも参加できる生涯スポーツの国際総合競技大会。35競技59種目の公式競技と、30のオープン競技がある。オリンピックの翌年に開いており、第1回は1985年にトロント(カナダ)で、直近では2017年にオークランド(ニュージーランド)で催された。21年の第10回大会はアジアで初めて、日本で開かれる。5月14―30日の17日間で、国外から2万、国内から3万の計5万人の参加を見込んでいる。
柏原を会場にした囲碁ボール大会は同年5月23日に行われる。オープン競技のため国代表などはおらず、どの程度の出場申し込みがあるかは現時点では分からないという。在住外国人に参加を呼びかけ、国際色豊かな大会にしたいと考えている。運営に携わる市囲碁ボール協会事務局長の前川豊市さんは、「ルールが簡単で誰でも気軽に楽しめつつ、奥深い競技。世界に発信する絶好の機会。盛り上げていきたい」と話している。