「そば」で住民交流 移住者の趣味が糸口に 大みそか120人に振る舞い

2019.12.21
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池藤さん(左)に教わりながらそばの手打ちにチャレンジする住民たち=2019年12月8日午後零時57分、兵庫県丹波市青垣町菅原で

そばで仲良く―。兵庫県丹波市青垣町の菅原集落が、公民館活動の一つとして、「近所(そば)から蕎麦(そば)へ」と名づけ、そばを通した住民交流に取り組んでいる。Iターン者の趣味を生かした取り組みで、そば栽培に挑戦したほか、このほど公民館で開いた手打ちそばの講習会には老若男女が参加。講習を受けた人たちが、大晦日に住民や帰省客ら120人に年越しそばを振る舞い、令和元年を締めくくる。

地元の田舎暮らし体験古民家「かじかの郷」を利用したのがきっかけで、同県明石市から今年4月に家族で移住した池藤嘉信さん(57)が、新自治会員紹介の席で「そば打ち」と趣味を披露、住民が「そばを打とう」「農地もあるし、せっかくなら栽培にも取り組もう」と盛り上がった。

手打ちの講習会は、池藤さんが所属する「神戸手打ちそばの会」の協力で実施。そば打ち台8台を準備し、会員の指導で幼児から高齢者まで30人近くが体験した。また、地元で収穫したそばの実を石臼でひき、10キロほどのそば粉にした。

そばの振る舞いには、ゆで方も大切と、池藤さんから「温かいそばは30秒で冷水にさらし、ぬめりをとって再加熱する」と実地を交え学び、そばを試食。打ちたて、ゆがきたてのそばの香りをのどごしと共に楽しんだ。

30日に技術を学んだ住民有志がそばを打つ。令和元年に新しい取り組みをと、そば事業を提案した公民館主事の釜口敬文さん(43)は、「食数が多いので、うまく打てるかどうか。池藤さんに2日くらい寝ないでがんばってもらうことになるかも」と笑い、「ご近所みんなで楽しくそばを食べられれば」と話した。

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