来年の東京五輪で兵庫県内を走る聖火ランナーに選ばれた同県丹波篠山市の上村信博さん(49)と、福本かおりさん。2人に選出の感想、意気込みを聞いた。
「桶ット卓球広めたい」
温泉施設の利用促進を目的に2011年度、丹波篠山市が考案した、風呂桶を使ったご当地温泉卓球「桶ット卓球」を推進している立て役者。14年、職場の同僚7人とサークル「チーム道」を結成。持ち前の求心力で、丹波地域を中心に約70人のサークルに育てた。
「笑いから元気を」「コラボでつながりを」を信条に、全国各地で巡回開催している温泉卓球大会に参加したり、丹波地域の事業所での体験会や、県内の温泉施設での大会をサポートするなどし、桶ット卓球を広めている。
来年2月15日、丹波篠山市で開かれる桶ット卓球の「世界大会」の実行委員に抜擢された。「桶ットの輪で世界平和」をモットーに米国の姉妹都市、ワラワラ市の短期留学生の体験をサポートしたり、世界大会参加予定の外国にルーツを持つ選手を指導するなど、海外とのつながりを大切にしている。
「聖火ランナー選出は、仲間とともに桶ットを広げてきた結果で、うれしいかぎり。さらにPRしたい」と話している。
「一歩一歩かみしめて」
丹波篠山市で毎年開かれる「丹波篠山ABCマラソン」に17回連続で出場。第35回大会から、女子未登録部門で3連覇を果たすなど、市を代表するアマチュアランナー。聖火ランナーに決まり、「本当に自分でいいのかと驚いた」と言いながらも、「選ばれたからには大役を全うしたい」と意気込む。ランナー仲間たちからの祝福や激励のメールも続々届いており、「200メートルという短い距離だが、一歩一歩かみしめて満喫したい」と声を弾ませる。
走り始めて17年。マラソン事務局でアルバイトをした際に、「裏方ではなく、次は走る側としてコースを見てみたくなった」のがきっかけ。来年は40回目の記念大会ということもあり、「なんとか自己ベスト(3時間2分33秒)を更新出来たら」とほほ笑む。
マラソンの一番の魅力は「仲間とのふれあい」と話す。地元ランナーの有志でつくるチームや、近隣で行われる練習会など、市内外を問わず、アマチュアランナーが集う練習会には積極的に参加。励まし合い、情報交換する中で、年々タイムも更新していった。
金融機関に勤務しているが、平日週2―3日の自主練習と、週末の合同練習会への参加はほぼ欠かさない。定期的に地元の温泉につかるなど、身体のメンテナンスにも気を使う。
「市民の皆様と一緒に五輪を盛り上げていければ」と話している。