警察官が柔道や剣道などの技術を披露する年始恒例の「術科始め式」が29日、兵庫県丹波篠山市の篠山警察署で開かれた。来賓らが見守るなか、署員が日頃から鍛錬してきた技を見せたほか、事件を想定した犯人逮捕術も披露。「市民の安心安全を守る」という意気込みを示した。
真剣を用いた署員の「無外流居合」の披露で開幕。基本型の後、巻きわら斬りも行い、気合とともに両断する姿に来賓から「おおっ」と歓声が上がった。
剣道と柔道は紅白試合を実施。静まり返った武道場に荒い息遣いと勇ましい声が響き、凄みのある試合が展開された。見守る署員たちも「行け」「もっと攻めろ」などと声援を送り、見事な技が決まるたびに大きな拍手を送った。
逮捕術では刃物をちらつかせながらカツアゲしようとした犯人を取り押さえるという想定で実施。被害者からの一報を受けて駆け付けた警察官2人が凶器を取り出して抵抗する犯人を鮮やかな背負い投げで制圧し、手際よく取り押さえた。
試合前には「家に帰れば娘にメロメロ」「とくにかく卵が大好き」「交番のホープ」など、ユニークな言葉で選手を紹介した森江満署長は「署一丸となって治安対策に努めていく。『この署員なら治安を任せても大丈夫』と言ってもらえるよう気合を入れて」と激励していた。
勝利したチームには、地元の伝統工芸品「丹波焼」で作られた優勝カップが贈呈された。