アメリカ出身の陶芸家 ピーター・ハーモンさん(丹波篠山市味間奥)

2020.02.02
たんばのひと特集

ピーター・ハーモンさん

茶道を創作に生かす

1956年アメリカ・ネブラスカ州生まれ。陶芸をしていた姉の影響もあり、大学3年の途中から美術を学ぶように。大学の美術教師が日本から持ち帰った、前衛陶芸集団「走泥社」の奇抜な作品のスライドを見て、「粘土でこれだけのことができるんだ」と、陶芸の道に進む決心をした。

1981年、国際文化交流のために来日し、日本の文化を学んで帰国しようとしたが、のちに妻となる千惠さんと出会い、結婚。滴翠美術館附属陶芸研究所専攻科(芦屋市)を卒業、さらに研究生として計5年間、日本の磁器の世界にのめり込んだ。

88年、開窯できる物件を探し、丹波篠山市味間奥の空き家だった古民家を改装し、独立した。94年には西洋人唯一の日本工芸会正会員に認定され、95年、日本伝統工芸近畿展で受賞。青白磁を中心に創作し、数々の受賞を果たす。

滴翠美術館と関係の深い「藪内流」の茶道にも取り組み、自宅に茶室を設けた。「茶道の『用の美』を磁器創作時にも意識し、使い心地の良さを残すようにしている」という。

体を動かすのが好きで、中学から大学の途中まで習った空手は初段の腕前。45歳からの10年間はマラソンに熱中、3時間7分台を2度記録したこともある。今は山登りや筋トレで健康を維持している。

「陶芸の目標は日本伝統工芸展本展で受賞すること。用の美を残しながら、自分の作品性をどこまで展開できるか楽しみ」と話す。63歳。

9日午後1時半―3時、兵庫陶芸美術館で開かれる「こんだ学セミナー」で講師を務める。同館(TEL079・597・3961)。

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