おばあちゃんの「手作り座布団」 卒園控えた園児にプレゼント 「6年生まで使ってね」

2020.03.03
ニュース丹波市地域地域

「元気クラブ」のメンバーの作業を見守る園児たち=兵庫県丹波市市島町上垣で

3月に卒園を控えた、兵庫県丹波市の認定こども園「いちじまこども園」(荻野尚子園長)の園児58人に小学校で使う座布団をプレゼントしようと、同園の活動をサポートする地域の高齢者グループ「元気クラブ」(藤田洋子代表、31人)がこのほど、同園で心を込めて座布団を手作りした。1年生担任教諭の分などを含め、今年は過去最高の65個をこしらえた。藤田代表(72)は「長く使ってくれるとうれしい。小学校にも仲良く通ってほしい」と話している。

メンバー15人が集い、袋状にした40センチ四方の無地の布の中に綿を詰め、ミシンで丁寧に縫い閉じた。「もうちょっと綿を詰めてよ」「これは合格やわ」などと笑い合いながら、和気あいあいと作業を進めた。園児もかわるがわる作業の様子をのぞき、時には手伝う子もいた。

藤田代表によると、グループの立ち上げは、突然激高する「キレる子ども」が全国的に話題になっていた時期。地域の高齢者が行事などを通じて園児と関わりを持つ「優しい取り巻き」を作ろうと設立した。食育のほか、伝承遊びなどを一緒に楽しんでおり、手作り座布団の寄贈も活動の一環。

無地の布を使用しているのは、座布団にかけるカバーは家庭で準備してもらうことで、オリジナルの座布団に仕上げてほしいからという。給食袋や卒園式で使うコサージュも手作りして寄贈している。

荻野園長は「元気クラブで作っていただいた座布団は丈夫で、6年生まで使う子がほとんど」と笑顔。「既製品もあるが、園内で作ってもらうことで物の成り立ちを見せることができる。子どものことを思い、手間暇をかけて作っていただきありがたい」と話している。

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