「丹波道路美化隊」代表 小田信行さん(丹波市青垣町栗住野)

2020.06.28
たんばのひと

小田信行さん

ごみ拾い「未来を約束」

空き缶やペットボトル、たばこの吸殻、コンビニ弁当の容器、さらにはペットのふんが入ったビニール袋まで―。道路沿いのポイ捨てごみをボランティアで回収する「丹波道路美化隊」の代表を務める。自身は黒井城跡への登山を日課にしており、自宅からの通り道を中心に、丹波市内全域で活動している。

「人が捨てたものは、人が拾わないといけない」との思いで、本格的にごみを拾い始めたのは今年1月から。氷上町と春日町をつなぐ天王坂で、あまりにも多く捨てられていたのを見かねて回収し始めた。

別の場所では、長年手入れされていない土手が草まみれになり、不法投棄が頻繁にあったことに心を痛め、地域住民と連携しながら草刈りを実施。「捨てにくい景観」をつくり出した。

40歳のころ、利用した市外の駅のトイレがひどく汚れていることに気付き、掃除を買って出たことがあった。「きれいになると、涼やかな気持ちになった。この経験が今の活動につながっている」と振り返る。

50歳代で仏門に入った。仏の教えに触れている今、これまでの美化活動を振り返ると、「仏になるために必然的な道を歩んでいるのかもしれない」と考えている。当初、ごみが捨てられた現状を見て「悲しみ」「怒り」の感情があふれていたが、どうすれば人が捨てなくなるかを考え、実践することに重きを置いている。

「ごみを捨てるのは、ほとんどが大人。子どもたちに、信頼できる未来を約束するのが大人の役目」と熱く語る。1人では活動の幅に限界があると感じており、共に活動する仲間を募っている。小田さん(080・4025・6336)。71歳。

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