クラフトビール醸造家 井筒一摩さん(丹波篠山市)

2020.08.30
たんばのひと

井筒一摩さん

地ビールの味わい追求

クラフトビールの製造所「丹波路ブルワリー テラノ・サウス」(丹波篠山市北)で季節に応じた地ビールを、年間20種類ほど提供している醸造家。

大学を卒業し、システムエンジニア(SE)になったころ、仕事帰りに西宮市のクラフトビアバーで飲んだ地ビール特有の風味の豊かさや味わいにはまった。やがて全国の地ビールが集まるイベントにも通うようになった。

高校時代は映画を、大学時代には曲を作るなど制作活動が好きだった井筒さんは、「大好きなビールがどうやってできているのだろう」と興味を持ち、「自分で作ってみたい」と思い始めた。地ビール醸造の塾に通い始めると、「小さなビール醸造所を造りたい」と夢を抱くようになった。

2016年、30歳でSEをしていた会社を退職。山梨県の「アウトサイダーブルーイング」の醸造家、丹羽智さんに〝弟子入り〟し、衛生管理や技術を学んだ。その後、〝ビール大国〟のイギリスへも渡り、3カ月間修行した。
同年7月、田舎暮らしを求めていた両親と共に西宮市から移住。醸造所も丹波篠山に造ることにした。「自然の豊かさと移住者が多い風土に引かれた」

翌年9月、念願だった醸造所をオープン。英国スタイルの伝統的なペールエールを中心に、丹波栗や住山ごぼう、草山の山椒など地元食材を使った珍しいビールも提供している。

特にこだわるのは品質。モルトの挽き具合の調整や、糖化時の温度管理、ホップ投入のタイミングなど細部まで気を遣う。「3年がたち、味わいや香りなど色々なことが分かってきた。地ビールのおいしさを突き詰め続けたい」。独身。34歳。

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