兵庫県丹波市山南町上滝の篠山層群(約1億1000万年前)から発掘された小型獣脚類恐竜の卵・卵殻化石「ヒメウーリサス・ムラカミイ」が、世界最小の恐竜類(非鳥類型恐竜)の卵化石としてギネス世界記録に認定された。同県三田市の県立人と自然の博物館と、筑波大学が発表した。
「―ムラカミイ」は、丹波竜(タンバティタニス)の発見現場近くで見つかったもので、新卵属・新卵種。大きさは長さ4・5センチ、幅2センチ、推定の重さは約10グラムでウズラの卵ほどの重さ。
丹波市ではこれまでに計6種類の恐竜卵殻化石が確認されており、前期白亜紀の地層としては世界で最も卵殻化石の種類が豊富な地域になっているという。
丹波竜の第1発見者で、卵化石「―ムラカミイ」の名前の由来になった村上茂さん(75)=同市=は、「最小の卵と国際的に認定されたのは非常に喜ばしいこと。世界の規格になればおもしろい。今年も調査を続け、動きを止めないように発信を続けたい」と話している。
人と自然の博物館で9月13日まで、3階で特別展示を開催中。関連標本とともにギネス記録認定証を展示している。