栄えた「映画館」写真求む 撮影中の監督が募集 一時は組事務所の建物

2021.02.05
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映画「銀幕の詩」の一場面

戦後復興で商業のまちとして栄え、かつてまちに映画館が2つあった兵庫県丹波市氷上町成松を舞台に、暴力団を追い出し、組事務所として使われていた建物を映画館に蘇らせようとする住民の奮闘を描いた映画「銀幕の詩」を撮影中の近兼拓史監督(59)=同県西宮市=が、かつて成松にあった映画館「戎シネマ」(エビス館)と、当時の成松のにぎわいを写した写真を探している。劇中、旧映画館のことを街の歴史と共に紹介するのに使う予定。

近兼監督は、成松商店街の物件を購入し、劇場「ヱビスシネマ」をつくる準備を進めており、劇場を作る物語を脚本にし、映画作品にする。すでに俳優陣をつかった撮影が一部始まっている。

新生「ヱビスシネマ」の名はかつて存在した「戎シネマ」に由来する。「成松町誌」(昭和31年刊)によると、「昭和25年に小南松太郎が新築し経営している常設館で、映画隆盛時代を迎えて成松映画劇場と共に近隣町村民の娯楽機関として大いに利用され親しまれている」とある。

近兼監督が持つ資料によると、同劇場は、少なくとも昭和37年時点は上映を続けていたとみられ、戦後復興でにぎやかさを取り戻した昭和30年代半ばから40年代半ばの同劇場や、にぎやかな成松商店街の写真の提供を希望している。

近兼監督は、「下町の詩シリーズ」として自身が脚本・監督を務める映画を製作している。前作の「恐竜の詩」に続き、2作続けて丹波市を舞台に映画を撮る。

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