「分水界」って何? 本州一低い”水分れ”に新施設 20日、水分れフィールドミュージアムオープン

2021.03.18
地域歴史自然観光

海面が100メートル上昇すると日本列島は氷上回廊で東西に分かれることなど、日本の地形を体感的に学べるよう、高低差をデフォルメした凸凹地形体験のブース=2021年3月13日午前11時9分、兵庫県丹波市氷上町石生で

兵庫県丹波市立水分れ資料館を改修した「水分れフィールドミュージアム」(氷上町石生)が20日、リニューアルオープンする。本州一低い中央分水界「水分れ」や、氷上回廊の成り立ちや地形、文化、自然などを、模型や映像、プロジェクションマッピングなどを使って、体験しながら楽しく学べる博物館へと生まれ変わる。

1階ロビーでは、水分れを中心に、瀬戸内海側から日本海側へと一本の道のように続く低地帯「氷上回廊」の概念を映像や地形模型を使って案内。上面から投影された石生地区のプロジェクションマッピングをもとに、地形の高低差を特殊な砂でかたちづくって、分水界への理解を深める体験コーナーなどを設置している。

奥に進むと、縦約2・5メートル、横約3メートルの巨大スクリーンがお目見え。ドローンやパラグライダーを駆使して撮影した四季折々の丹波市の景色が流れ、まるで空中を散歩しているかのような錯覚に陥る。

1914年に氷上町で発見され、1960年までに絶滅したとされるミナミトミヨの解説ブース

氷上回廊の成り立ちや、ここを渡って南北に分布を広げた動植物を解説したコーナーも。かつて丹波市に生息していたものの絶滅したと考えられているトゲウオ科の淡水魚「ミナミトミヨ」の3Dスキャン模型をはじめ、昆虫や哺乳類、鳥類などの標本も豊富に展示されている。

 

 

氷上回廊の文化交流をたどるコーナーでは、旧石器時代から現代までの物流を紹介。舟運の歴史についても触れている。

楽しみながら、舟運の歴史などが学べるすごろくブース

このほか、丹波の農産物や工芸品を紹介する展示や、2階には子ども向けに自然や文化、食などをテーマにした学習キットを用意している。

総事業費は、約2億9400万円。入場料は大人210円、小中学生100円。同ミュージアム(月曜休館。0795・82・5912)。

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