兵庫県丹波市の会社員、足立勝さん(44)が13日午前6時3分ごろ、自宅裏手の竹やぶにいるツキノワグマを発見し、市を通じて警察に通報した。足立さんは、「『着ぐるみそっくり』が第一印象。隣近所に家もある。被害が出ないうちに捕まえて、どこかへ連れて行ってほしい」と話している。
12日午後10時15分ごろ、2階のベランダで洗濯物を干していた妻(43)が、「ぜいぜい」と息が上がったような音に気付いた。音がする方向を照らすと暗がりにクマの姿が浮かび上がった。声を潜めて呼ぶ妻の声に気付いた勝さんがベランダに着くと、繁みに逃げたという。
翌13日、気になっていた妻が夜明けと共に起き出し、ベランダから確認すると、昨夜とほぼ変わらぬ位置にクマの姿が。勝さんが物音を立てないようにベランダに近づき、20メートル先にいるクマをスマートフォンで撮影した。家族が立てた物音で山奥へ逃げ込むまで、しばらくクマを観察する時間があったという。
近くに柿の木があり、柿に誘引されて里に近づいたとみられる。勝さんは、「ひとごとなら『クマがいるなんて珍しい』で済むけれど、自分ごととなるとおもしろがってばかりもいられない」と苦笑いしていた。
糞や折れた枝など、痕跡情報は多いが、野生のクマが撮影されるのは丹波地域では珍しい。