兵庫県丹波市と丹波篠山市、京都府の4市1町で生産されている丹波栗の代表品種、「銀寄」「筑波」の収穫が、丹波市では例年より1週間ほど早く、9月末でほぼ終わりを迎えた。生産者によると、今年は粒が大きく、製菓業者の加工用に回るM、Lサイズが少なく、贈答用の2L以上が多くなっている。収量は生産者や、同じ市内でも場所によってばらつきがあるものの、市全体では「大粒の栗が早く落果。収量は少ない」年のようだ。
クリの規格は、大きさで決まる。「M」が29ミリ以上―32ミリ未満、「L」が32ミリ以上―35ミリ未満、「2L」が35ミリ以上―39ミリ未満、「3L」が39ミリ以上―など。2L以上のクリは見栄えが良く、高級品として主に贈答用に販売される。
昨年は「なり年」で、うなるほど小粒の栗がなり、収量が多く、生産者は持て余し気味だった。
三方丹波栗生産出荷組合(同市氷上町三方、8戸)は例年、彼岸頃から始まる集荷を9月15日から始めた。秋祭りまで続く年もあるが、今年は10月3日が最終だった。集荷量は例年の7割ほどを見込む。製菓業者から「Lがほしい」と、どんどん注文が入るが、2Lが大半のため、注文に応えられないでいる。「2Lが残ったら、加工用の値段で引き取ると言う業者があるが、全部売れるので残らないし、2Lは2Lの値段でないと売らない」と言う。
県の「丹波栗マイスター」、河村修治さんは、「粒が大きく、2L以上がほとんど。その代わり、収量は去年の半分。実が太る盆の頃にたくさん雨が降った影響だろう」とみる。「虫が多い」とも。
女性丹波栗栽培グループ「栗っこ会」の山本浩子代表も「『皮むき機で皮をむいて』と持ち込まれるクリが大粒。家にある栗の木の世話をしていなくても、今年は大粒の栗がなる年なんだろう」と話す。
市丹波栗振興会長で、JA丹波ひかみの非常勤理事でもある足立義郎さんは「うちはよく出来たが、大粒で、小粒が少ない。一つ栗、二つ栗が多い。製菓業者は、大変だろうと思う。昨年度に50トン余りを集荷したJA丹波ひかみも、とてもそこまでは集まらないようだし、今年はやや悪い年ということになるんだろう」と話していた。
収穫後3週間ほど低温貯蔵し、甘味を引き出した丹波栗の販売が今月に入り本格化している。