地域の“名所”をPRしようと、兵庫県丹波市の市島町上垣自治会(永井直樹会長)がこのほど、同自治会の所有林を中心に、観光スポットになりそうな場所を選定し、手作りの案内看板を立てた。同自治会役員11人が、林内に点在する「落ちそうで落ちない岩」「なぞの巨大陥没穴」などと名付けた珍スポットを巡り、和気あいあいと作業に取り組んだ。
地域おこしになればと発案。同自治会の林野委員が中心となり、集落の後ろにそびえる横峰山(高谷山)の登山道付近で適地を選定した。
いずれも登山道から少し分け入った場所。「落ちそうで落ちない岩」は、岩盤の上に乗った巨岩が山の斜面にせり出している。直径10メートルはあるクレータ状の「なぞの巨大陥没穴」は、硅石を採掘した坑道が崩落してできた穴で、尾根のすぐ横に点在している。
幹周りが4メートルほどあり、横峰山で最も大きいというブナ科「ツブラジイ」の前にも看板を設置。この木を含め、同自治会と岩戸自治会の境界に沿うように複数のツブラジイが植えられており、参加者は先人の知恵に感心していた。
参加者は珍スポットに到着するたびに「不思議やねえ」「こんな場所があったんやねえ」などと口にしながら、地域の隠れスポットに舌を巻き、林野委員の足立正宏さんが手作りした木製看板を立てた。
永井会長によると、まだ複数の珍スポットがあり、順次、看板を立てていくという。「地域住民でも知らない場所は多い。再発見につながるとうれしいですね」と話している。