花の都パリと言えば、凱旋門。その周辺はなんと12本もの道路が交差する「十二叉路(さろ)」だ。このように5本以上の道路が交わる場所を「多叉路」と呼ぶそうだが、なんと兵庫県丹波篠山市にも六叉路がありました…。
読者から情報提供があったのは、同市郡家地区。橋のたもとにある現場に到着し、360度ぐるっと視界を巡らすと、1、2、3、4、5、6―。いずれも細い道だが、確かに6本の道路が交わっている。いかにしてこの六叉路はできあがったのか。
市まちづくり部に尋ねてみると、もともとは南北に抜ける道があり、河川改修で出来た川の管理道路と、宅地開発で出来た道によって六叉路が出来上がったと考えられるという。
「これはどうしても全方向から車が来ている写真が撮りたい」と、しばらく粘ってみたが、南北に抜ける車はあるものの、東西などはほぼなかった。
そこで編集、営業部に協力を仰ぎ、交通の妨げにならないよう、時間を合わせて一瞬で撮影した。「えらい気合い入ってますね」と、冷ややかな同僚の声を浴びながら。
撮影を終え、解散の指示を出す。信号がないため、メインの南北の道以外は、誰から出発するかで、「どうぞ、どうぞ」と手で合図を送り合うことになった。
一般的に多叉路は渋滞や事故が多く発生する場所とされる。ましてこの信号のない六叉路では、十分な安全確認と「譲り合いの精神」が大切になることが分かった、と思う。