”ツバメ団地”へようこそ 車庫で20個営巣 家人が天敵からのガードマンに

2022.05.29
地域自然

子育て中のツバメ。巣でかわいらしいひなが口を開けて待っている=兵庫県丹波市氷上町伊佐口で

兵庫県丹波市氷上町伊佐口の中澤昭一さん(76)、玲子さん(72)夫妻の朝は、車庫に営巣したツバメの“出勤”を見送ることから始まる。午前5時、朝刊を取り入れ、シャッターを開けると、早く餌を取りに行きたいと待ちわびていたツバメが、目にもとまらぬ速さで目の前を通り過ぎていく。

10年ほど前から車庫の天井に営巣しており、さながら「団地」のようになっている。3月半ばから9月半ばまでの約半年、車の車庫入れを遠慮し、天敵のカラスやヘビに襲われないよう守り、にぎやかな客の健やかな暮らしを支えている。

さながら”ツバメ団地”のようになった中澤さん宅の車庫。天井は、ひなとふんの落下防止のための板が並ぶ

天井の所々に打ち付けた板は、ひなの転落と、ふんの落下を防ぐためで、現在15ある。巣は修繕して使われる古い巣と、新しい巣を合わせ20ほどある。天井近くでは、枯れ草や泥を運び営巣中の成鳥、抱卵中の親鳥、かえったばかりのひななどがくらしている。

シャッターのそばに網を張り、網とシャッターとの間に15センチほどの空間を設け、ツバメの往来を確保しつつ、カラスの侵入を防いでいる。ヘビは、火ばさみで捕まえ、退治する。日が暮れツバメが帰宅すると、シャッターを閉める“夜間セキュリティー”役も。

午前5時、車庫のシャッターを開け、餌取りに出掛けるツバメを見送る中澤玲子さん。ツバメはシャッターとカラスよけの網のすき間から外へ

「親鳥が2回目の繁殖をし、巣立った子ツバメがしばらく巣に戻ってくるので、これからもっとたくさん飛び回り、にぎやかになる」と、昭一さん。妻の玲子さんは、「何とも言えずかわいい。ツバメの巣は幸せをもたらすと近所の人が言ってくれるけれど、なかなかそううまいこともいきません」とほほ笑み、目の前を飛ぶツバメに目を細めている。

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