山きれいに、ごみも減る
家庭から出る生ごみを減らしたいと、丹波市内の有志と規格化した木製生ごみコンポスト「キエたん」が“ヒット商品”に。購入助成対象になっている丹波、丹波篠山両市のほか、遠方からも含め100台以上の注文が入っている。平松区森林愛好会のメンバーらが、区内や近隣から切り出したヒノキを製材して製作。「山をきれいにしてごみを減らす」という、森林資源を活用した脱炭素化への取り組みに挑戦し、理想の循環活用を実現した。
平松区森林愛好会は、2013年に地区の有志で発足。地区の山が荒れ放題になって住民が困っていたため、当時の自治会長と相談して、できたばかりの国の補助メニュー(森林・山村多面的機能発揮対策交付金)を活用し、日当が支払える活動として山の整備をスタートした。
毎月第2・4週の土・日曜日に年間60日以上作業するが、「間伐や整備が必要な場所は次々ある」。それでも、9年間続けてきて「森が明るくなった」と胸を張る。「しんどいと思いながらもついてきてくれる仲間がいるからこそ」。子どもの遊び場もでき、墓地や神社へも安全に行きやすくなって喜ばれているという。切った木はまきや竹チップにして販売している。
長年、NTTに勤め、阪神淡路大震災の復旧・復興事業にも従事。退職後、工務店経営、さらには破綻も経験した。苦労も多かったが、培ったさまざまなスキルを生かし、暮らしの相談にも乗っている。
「生涯現役」がモットー。「自分もたくさん助けてもらった恩返しとして、ちっちゃな地域貢献を続けていきたい」。後継者問題が里山整備の一番大きな課題と案じる。76歳。