9月9日は五節句の一つ「重陽(ちょうよう)の節句」。中国では「一年で最も縁起が良い日」とされ、長寿を願う日とされる。
古来、中国では陰陽思想から、奇数は「陽」で縁起が良い数、偶数は「陰」で縁起の悪い数と考え、奇数の中で一番大きな数の「9」が重なる9月9日を最も縁起が良い日とした。日本では平安時代に宮中行事の一つとなった。旧暦(10月中頃)では、菊が咲く季節であることから、「菊の節句」とも呼ばれている。
兵庫県丹波篠山市西新町の歴史文化施設「武家屋敷安間家史料館」では、11日まで重陽の節句にちなんだイベントを開催している。
重陽の節句の行事の一つ、「被綿」の体験コーナーを開設。菊の花に真綿を被せ、一晩、夜露と菊の香りを綿に染み込ませたもので体をぬぐうと長寿や無病、若さを保つことができるとされる日本独自の風習という。
同施設は、「端午の節句などはよく知られているが、重陽は知らない人が多く、来館者した人からは、『初めて知った』という声も。ぜひ知ってもらうきっかけになれば」と話している。